英語あれこれ: and と or

簡単と言えば簡単なんだが、ちょっと微妙なケースもあるし、翻訳の際に注意したほうが良いこともあるので、and と or に関連する表現について自分の理解をまとめてみた。具体的には、「片方だけか、両方か、片方でも両方でもよいのか」というあたりのことを、こうした意味あいを表現できる他の言い回しとあわせてまとめてみた。

英語表現 A B A, B 備考
A or B ? 「AまたはB」「AもしくはB」「AあるいはB」「AかB」「AないしB」「AやB」などと訳す。おまけとして示したとおり、法律系の日本語だと、上位の選択肢には「または」を使い、下位の選択肢には「もしくは」を使うので、「AまたはB1もしくはB2」は、A or (B1 or B2) の意味である (なお、上位・下位といった構造がない単純な選択なら、「または」を使い、3段階以上の階層があれば、最上位の選択にのみ「または」を使う)。論理記号としてのOR、OR論理ゲート、プログラミングでのOR演算子だと、A or B という表現は「A, B」の場合も含み得るわけだが、普通の英語表現で A or B と述べたときに「A, B」の場合も含意し得るかどうかは、ちょっと微妙かもしれない。おそらく文脈によると思う。
either A or B ×? 訳し方は A or B と同じだが、either を強調するために「〜のいずれか」「〜のどちらか」とつけることも多い。ということは、おそらく、この表現で「A, B」の場合を表すのは不適切である。文脈によっては、「AだろうとBだろうと」などと訳す (この場合は whether A or B に近いニュアンス)。
one of A and B × 「AとBのうちの一方」などと訳す。
A, B, or both (of them) 「A、B、またはその双方」などと訳す。
at least one of A and B 「AとBのうちの少なくとも一方」などと訳す。
one or both of A and B 「AとBのうちの、一方または双方」などと訳す。
A and/or B 英文和訳だと「Aおよび/またはB」がほぼ定訳。どうしてもしっくりこなければ「Aかつ/またはB」などとしてもよい。逆に、和文英訳のときには、「および/または」から訳す場合以外に、「や」から訳す場合にも使える。というのも、日本語の「や」はちょっと曖昧で、文脈によって、and とも or とも and/or とも取れるためである。この曖昧性があるので、「や」の英訳の際には、とりあえず and/or と訳しておけば、「少なくとも翻訳で嘘はついていない」とは言える。が、多用は避けたい。「and/or で逃げておくのが安全策」という消極的な場合もあるだろうし、積極的に「ここの『や』は and/or の意味」と判断できる場合もあるだろう。
either or both of A and B 「AとBのうちの一方または双方」などと訳す。
A and B × × 「AとB」「AかつB」「AおよびB」「AならびにB」「AやB」「AもBも」「AでもありBでもある」「AそしてB」「AするとともにBする」などと訳せる。おまけとして示したとおり、法律系の日本語だと、上位の並列には「ならびに」を使い、下位の並列には「および」を使うので、「A1およびA2ならびにB」は、(A1 and A2) and B の意味である (なお、上位・下位といった構造がない単純な並列なら「および」を使い、3段階以上の階層があれば、最下位にのみ「および」を使う)。A and B という英語表現の意味するところは、論理記号としてのAND、AND論理ゲート、プログラミングでのAND演算子の意味するところとも一致している。
both A and B × × 「AとBの双方」「A、Bともに」などと訳す。
at once A and B × × 「AでもありBでもある」「Aであると同時にBでもある」などと訳す。
not only A but also B × × 「AだけでなくBも」などと訳す。ということは「A, B」の場合にしか使えない表現ということである。
A as well as B × × 辞書には「Bと同様にAも」と後ろから訳す形が出ているが、「AもBも」などと前から訳した方が分かりやすい日本語になることも多い。
A, together with B × × 「BとともにA (が | を)」「A (が | を) Bとともに」などと訳す。
A in addition to B × × 「Bに加えてA (が | を)」などと訳す。
not A but B × × 「AではなくB」などと訳す。
A rather than B × × 「BというよりむしろA」が普通の訳だが、「BではなくA」とした方が分かりやすいときも結構あると思う。
A instead of B × × 「Bの代わりにA」。場合によっては「BではなくA」「BどころかA」と訳した方が分かりやすいかもしれない。
A in lieu of B × × 「Bの代わりにA」。
A in place of B × × 「Bの代わりにA」。
neither A nor B × × × 「AでもBでもない」などと訳す。
not … either A or B × × × 「AとBのいずれでもない」「AでもBでもない」などと訳す。
not … A or B × × × 「AでもBでもない」などと訳す。

「および」「ならびに」「または」「もしくは」についてのおまけです。

一段階 二段階 三段階 四段階
ならびにまたは
ならびにまたは ならびにもしくは
ならびにまたは ならびにもしくは ならびにもしくは
およびまたは およびもしくは およびもしくは およびもしくは